我が社自慢の女性課長2022/01/15 6:20


『建設業で活躍する女性』

長きに渡り、発刊し続けている一般社団法人建設業協会松山支部の会報誌「匠明」の2022年新春号が発刊された。2022年新春号の表紙には、現在保存修理工事真っ只中の道後温泉保存修理工事が写し出されていた。今回の「匠明」には、『建設業で活躍する女性』としてコーナーが設けられており、我が社自慢の女性課長(重見 圭子)の本気・本音の言葉が書き綴られていた。今日は我が社自慢の女性課長の原文を下記にそのまま載せたいと思う。

 

【建設業界の女性の働き方について思うこと】 株式会社門屋組 重見 圭子

私は㈱門屋組で現場監督として働いています。ひたすら目の前の仕事をこなす日々を重ねるうちに気が付けば早25年が過ぎました。特別仕事ができる訳でもないのに男性社会と言われる職場で働き続けてこられたのは、ひとえに女性らしい生活をしていないからでしょう。

私は未婚で両親も元気に働いており、自分は身の回りのことをするくらいで誰かの世話をすることもありません。こんな私が女性の働き方を論じるのはおこがましいことですが、これからのあり方について少し考えてみたいと思います。

「女性が働く」と言われるとき、多くの場合、この「女性」とは「家庭を持ちながら仕事をする人」のことを指している気がします。「仕事」に携わる場合、業務中は自分の時間をあくまでもお客様の都合や仕事の流れに合わせる必要があります。顧客の要望を叶えて初めて仕事が成立するからです。

対して「家庭」作りも、家族が元気で活動できる場を作る大事な仕事です。家庭の要望を満たすために自分の時間や労力を費やす必要があります。限られたキャパシティの中で「家庭」と「仕事」を両立させようと思えば、100と100の仕事量を50と50なり60と40なりに減らさざるを得ません。効率化は必要ですが、個人でできることには限界があります。

私の考える理想の働き方は、「家庭」と「仕事」をトータルに捉え、その中の優先順位を定めて行動できることです。コロナ禍でリモートワークが発達し、社会的にも働き方が大きく変わりつつあります。建設業界はリアルの世界で現場なくして仕事はあり得ないので、8時~17時の基本的な時間割を崩すことはできません。

ただ、スクラップ&ビルドからストック活用への時代の変化と共に、新築のみならずリフォーム・メンテナンスの需要も多くなり、お客様主体の中にもフレキシブルな時間の使われ方が可能な部分も出てきている気がします。

ITの活用や会社や同僚の理解とバックアップがあれば、建設業界でも女性にとっての新しい働き方が可能なのではないでしょうか。「家庭」の優先事項を許容できる柔軟さと風通しのよさで新しい働く場が生まれることを願ってやみません。