社員は家族。信頼し合うために本気・本音で対応

代表取締役に就任するまでの経緯を教えてください。

会長と社長、お互いに信頼し合っている様子がわかりました。ここからはまた、社長にお伺いしたいと思います。清掃活動やスローガンなどのお話を聞いていると、意思統一に力を入れているなと感じます。

社長:「本気・本音の全社一丸・現場一丸」を目指す運動、というものを掲げています。これを達成するための行動指針を10項目上げています。「ホウ・レン・ソウ(報告連絡相談)を徹底」「決めたことをしっかりと実行する」といったあたりまえのことなんですが、なかなか継続するのは難しい。徹底するには伝え続けるしかないと思います。

どうやって伝えていっているのですか。

社長:ブログを活用しています。本社事務所には日中、現場監督員はいませんからね。ですから、ブログで社員に伝えたいこと発信します。日々の私の行動も書き綴っています。ブログを読めば社員も私が普段何をしているのかを分かってくれます。半年ぶりに会う人から「いつも忙しそうですね」と声をかけてくれるんですよ。

ブログは社長の今を全てさらけ出しているんですね。

社長:本音、本気で考えていることを包み隠さず記しています。自分の言葉にいかに説得力を持たせられるかというのが社長としての役割だと思います。そのためには信頼関係が必要で、自分の言葉や行動に責任を持つよう心がけています。

ブログでは現場の写真も紹介していますね。

社長:当初は建物の内部をネットに出すなんて考えられないと、反感がありました。
なぜこんなことを始めたかというと、いつ何時、誰に見られてもきれいな状況を保ってほしいという思いからです。汚い部分があったとしても全部さらけ出します。そうすることで皆、緊張感をもって仕事に臨んでくれます。現場は仮囲いがありシートで包まれていて外からは見えにくい。そういう状況で写真はきれいなところだけ公開するようなその場しのぎではダメなんですよ。全て本音をさらけ出します。
ブログは毎日書いていて、社員はその大変さを分かってくれていると思います。もう習慣化されて慣れましたけどね。

社長になって芽生えた感情はありますか。

社長:甘えてはいけないという感情が芽生えました。私の座右の銘は「信頼を築くのは長く、信頼を失うのは一瞬」です。信頼を築くためには小さなことを積み重ねなくてはなりません。逆に悪い噂はすぐに広がります。私が周りから信頼を失うと、社員とその家族、協力会社にも迷惑がかかる。そう考えたときに甘えは捨てないといけないと思うようになりました。

今後の成長(発展)のために今取組んでいることは?

続けるには精神的に負担が大きいのでは。

社長:息抜きというか、リフレッシュが必要ですね。ゴルフに釣り、映画鑑賞と色々な趣味があります。私が社長になってから「門屋組親睦会」というイベントを定期的にやっていて、花見や納涼会、釣り、バーベキューなど、家族の人も参加してもらい、社員にもリフレッシュの機会を作っています。

社員さんとのコミュニケーションも大切にしているんですね。普段はどんな風にコミュニケーションをとっているのですか?

社長:毎月8のつく日に現場パトロールを実施しています。そこで悩みはじっくりと聞くようにしています。それに私も現場経験がありますから、社員が改善してほしそうなことを先に察知できればこちらから提案しています。

気軽に相談できる間柄がいいですね。

社長:全社メールで年に1回程度「本気・本音アンケート」と題し、皆からの悩みや意見を聞いています。その中で優先順位をつけて取り組むようにしています。そうした土壌があるからではないでしょうか。

社員と接するうえで気を付けていることは。

社長:時には社員を指導しないといけないこともあります。ですが他の人の前では注意をしないようにしています。膝を突き合わせ、「ここがダメだった。代わりに今後どうしていくか考えよう」ということを話し合います。
ミスなどの最終的な対応は全て私が行きます。例えば施主様への謝罪です。他の人にはいかせません。些細な問題が発生した時にも対応するのが私の責任だと思っています。そうすることで部長たちも安心して仕事に取り組むことができるし、信頼関係も生まれると思います。

社長にとって社員とはどんな存在ですか。

社長:家族です。さきほど、得た利益を地域に還元すると言いましたが、社員にも還元します。例えば今は賞与が4回ありますよ。また、ストレスチェックの導入も検討しています。1人でも多く1日でも長く門屋組の社員として働いてもらいたいです。

創立200周年まであと